日本映画界において、憑依型俳優として唯一無二の存在感を放つ松山ケンイチさん。
大河ドラマの主演や数々の映画賞を受賞してきた彼が、いま、カメラの前と同じくらい情熱を注いでいる場所をご存じですか?
この記事では、近年、メディアでも度々取り上げられるようになった松山さんの「トマト農家」としての一面にせまります。
なぜ彼は、華やかな芸能界の第一線に身を置きながら、土にまみれる生活を選んだのかを一緒にみていきましょう!
松山ケンイチはいつからトマト農家を始めた?移住と農業の原点

俳優が「農業を始めた」と聞くと、多くの人は「俳優を引退するのではないか?」「セカンドキャリアへの準備か?」と想像するかもしれません。
しかし、松山さんの場合は少し異なります。
2010年代後半から始まった「二拠点生活」からみていきます。
松山ケンイチさんが本格的に農業に関わり始めたのは、2018年ごろからとされています。
この時期、彼は家族(妻の小雪さんとお子さんたち)と共に、東京と地方を行き来する「二拠点生活(デュアルライフ)」をスタートさせました。
田舎の暮らしは、毎日が濃厚です。畑仕事などで外に出る機会はいくらでもあるし、たくさんのおもしろい人たちにも出会えて、ーーーそれを家族みんなで共有していきたいし、俳優以外の仕事もやっていきたい。
引用:オレンジページnet
北日本にある雪深い地域に拠点を構え、一年の約半分をその土地で過ごす。
その暮らしの中で、ごく自然な流れとして始まったのが「自給自足的な農業」でした。
ここで重要なのは、彼が「俳優を辞めて農家になった」わけではないという点です。
松山さんは自身の活動を「専業農家」とは呼んでいません。
あくまで、自分たちが食べるものを自分たちで作る、という「暮らしの延長線上」に農業を置いています。

特にトマト栽培には力を入れており、そのこだわりは家庭菜園の域を超え、プロの農家に教わりながら本格的な設備を整えるほど。
しかし、その根底にあるのは常に「生活者としての視点」なのです。
「専業」ではなく「暮らしの一部」としての農業でした。
芸能活動の最前線で多忙を極めるなか、あえて手間のかかる土いじりを選ぶ。
その姿勢には、情報過多な現代社会において、地に足をつけて生きることへの強い意志が感じられます。
なぜ「トマト」だったのか?松山ケンイチが農業に込めた想い

数ある作物の中で、なぜ彼はトマトを中心とした農業を選び、地方移住という大きな決断を下したのでしょうか。
そこには、一人の父として、そして一人の人間としての深い哲学がありました。
松山さんは、以前から「食」に対する強い関心を持っていました。
スーパーに並ぶ野菜がどこでどう作られているのか。
それを知らずに消費することへの違和感が、彼を動かした原動力の一つです。
特に、成長期の子どもたちに「自分たちが食べているものが、どうやって土から生まれるのか」を肌で感じてほしいという願いがありました。
食の安全と「命のサイクル」を教える教育です。
トマトは苗から実がなり、赤く熟していく過程が視覚的にも分かりやすく、収穫の喜びを共有しやすい作物でした。
そして、松山さんの活動を語る上で欠かせないのが、サステナブルな視点です。
彼は、規格外で廃棄されてしまうトマトを見て「もったいない」と感じ、それをどうにか活用できないかと考えるようになりました。

また、農業を通じて直面した「獣害(シカなどの野生動物による被害)」の問題にも真摯に向き合っています。
害獣として駆除された動物の皮を再利用するブランドを立ち上げるなど、「消費するだけでなく、循環させる」という考え方が核となっているのです。
俳優という仕事は、常に他者の視線にさらされ、虚構の世界で自分を演じ続ける仕事です。
一方で、農業は嘘がつけません。
手を抜けば枯れ、天候に左右され、自然の圧倒的なパワーの前に人間は無力です。
松山さんにとって、トマトと向き合う時間は、俳優としての自分をリセットし、剥き出しの「個」に戻れる大切な休息の時間でもあるのでしょう。
現在の松山ケンイチと「俳優×農業」の理想的なバランス

現在、松山ケンイチさんは、俳優業と農業を驚くほど高い次元で両立させています。
彼の現在のスタイルは、「仕事があるときは東京に滞在して集中し、オフシーズンや農繁期には地方で土に触れる」という非常に合理的なものです。
撮影と農繁期を使い分けるワークライフバランスなのです。
最近では、出演作のプロモーションなどでも農業の話題を隠すことなく語り、時には自作のトマトなどを共演者に配ることもあるといいます。
彼にとって農業は、隠すべき私生活ではなく、表現者としての深みを作るための「肥やし」になっているのです。

多くの人は、新しいことを始めるとき「今の仕事を辞めなければならない」と考えがちです。
しかし、松山さんは「何かをやめる」のではなく「新しい軸を足す」生き方を選びました。
俳優業は、精神的なアウトプットや、社会との繋がりとして、農業は、身体的なインプット、家族との繋がり、自然との共生なのです。
この二つの軸があるからこそ、どちらに対しても執着しすぎず、健全なメンタリティを維持できているのではないでしょうか。
「スマホを触っている時間よりも、土を触っている時間の方が、得られる情報(実感)が多い」という彼の言葉。
これは、デジタル化が進む現代において、私たちが忘れかけている「生きてる実感」を思い出させてくれます。
まとめ|松山ケンイチが提示する、これからの時代の「豊かさ」
松山ケンイチさんがトマト農家としての活動を本格化させたのは、2018年ごろ。
その背景には、家族への愛、食への探究心、そして自然界の循環に対する深い敬意がありました。
彼の生き方がこれほどまでに多くの共感を呼ぶのは、それが「お金のため」でも「売名のため」でもなく、「自分たちが納得して生きるため」。

「いつから始めたか」という時期以上に重要なのは、彼が今もなお、楽しみながら土に向き合い続けているという事実です。
私たちは、松山さんのように広大な畑を持つことは難しいかもしれません。
しかし、ベランダの一鉢のトマトからでも、「自分の手で育てる」という豊かさを知ることはできます。
彼の軽やかな二拠点生活は、私たちに「もっと自由に、自分らしく生きていい」という力強いメッセージを送ってくれているのです。
気になる記事はこちら~

コメント